滅びへの道
「出生率」がまた下がったとのこと。
一人の女性が生涯に産む子供の数の平均が1.29人だとか・・・
政府は「子育て支援策の更なる充実」を、と言っているけどそれがこの問題の根本的解決につながるのかは、私にははなはだ疑問です。
そもそも子供を産まないひとの中では
「子供を産みたいけど産めない」っていうひとより「子供は産まない、産みたくない」ってひとののほうが、割合は多いんじゃないでしょうか。
子供を産んでも今の仕事をバリバリ続けられるような制度が完備され、
子供への教育費や子供の数だけ子供部屋のある住宅を国から支給されたとしても、
この子供を産みたくない人の気持ちを変えるのことはできないでしょう。
女性、こう言うと語弊がありますね、ひとびとあるいはカップルと言い換えましょう。
とにかくひとびとに「子供を産む産まないを選べる自由」が与えられたときから、
この出生率低下は避けて通れない道のような気がします。
ここで誤解しないでいただきたい。
「子供を産む産まないを選べる自由」が悪いとかそんなことを言うつもりは私には毛頭ありません。
今はいろいろな可能性があって子供を産み育てることがその可能性を打ち消してしまう場合も多々あります。
だから子供は産まない、と決断するひとがいるのも当然でしょう。
これらのひとびとの存在はもう国家が介入できない次元なのだから、
政府としては、「子育て支援策の更なる充実」と言うしかないのでしょうが・・・
星新一さんの作品で「最後の地球人」というのがありました。
人口の増え続けた未来の地球で、あるときを境に人間の女性が生涯一人の子供しか産めなくなってしまうというお話。
人類はその日から滅亡へと向かっていくのです。
過去の人間たちが思い描いていた「悲壮感や絶望感に満ちた滅亡」とは違いながらも、それは確実に滅亡です。
「豊かになって自分の代で幸せをつかめれば、子孫への命の継承はもういいのか?」
つくづく生命としての種を考えさせられますね。
日本を始めとする出生率低下に悩む先進国の国々は最早、種として滅びの道を歩み始めたのかも・・・
それがある意味、自然淘汰されていることなのかもしれませんね。
だって、もう民族としての生命力が欠け始めているのですから・・・
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