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2004/08/05

必ず帰るから、待っててね

久しぶりに「観たい!」と思う映画に出会った。
カンヌ国際映画祭男優賞を獲得したことで話題の「誰も知らない」である。
観てもいない映画について語るのは、ちょっと気が引けるが、
観終わってからの感想と今の気持ちはおそらく違うであろうから今ここで書き留めておこう。

どちらかというとシニカルな私は、子供や動物をテーマにした『感動もの』は苦手である。
不治の病を抱えた子供とその子に生きる勇気を与える為に輝きを取り戻す大人の物語とか、
動物と過ごすうちに心を開いていく子供の話とか・・・
どうも安易に感動させられているような気がしてしまうからだ。
しかし、この「誰も知らない」の『親の帰りを待ち続ける子供』のシュチュエーションにはもっぱら弱い。
その、「じっと待っている姿」を想像するだけで自然とじわーっとなってきてしまうのだ。
なぜそんなにそのことに涙腺がゆるむのか?
「おかあさん(もしくはおとうさん)はちゃんと帰ってくるはずだ」という子供のひたむきだが絶対的な信頼、一方その信頼を本意にしろ不本意にしろ踏みにじっている大人の勝手さ残酷さとの対比が例えようも無く悲しいからだろうか。

ところで、わたしはそんなことを思いながらも、子供(小1と小2の二人)だけを残して、
夕方ちょっとした買い物などにでてしまうことが多い。
「ちょっと買い物してくるから、お留守番しててね」、なあーんていって出かけてしまうのである。
子供も最近ではついて行きたいとダダをこねることも少なくなって、「いやあ楽になったもんだ」などと思い自転車をこぐ。
こぎながらいつも必ず考えるのは、このまま私が帰らなかったらあの子達はどうなるのだろうか、ということだ。
たとえば自転車で交通事故にあってしまうとか・・・

子供たちは私が帰ってくるのをなんの疑いも無く待っている。
二人で居間のテーブル近くにちょこんと座って遊びながら・・・・
たまに思い出したように「おかあさん、遅いねえ」なんて言うかもしれない。
・・・そのうち小さいほうがぐずぐず言い始める。
お姉ちゃんは自分の不安を掻き立てる弟の泣きを叱りつけながら、最終的には自分も大泣きとなる。
・・・そして二人の泣き声の大合唱。
ああ、この辺で近所の人が気づいてくれるか、警察からの連絡かなにか入ればいいのだが・・・
この都会の片隅では子供がちょっとやそっと大泣きしていても誰も気づいてはくれない気がするけど・・・


そんなに心配なら子供だけ残して出かけるな!と言われそうである。
親の留守中、強盗が押し入り、「顔を見られた」からと幼い兄弟が殺害される事件もあった。
海外では子供だけで留守番させるのが罪になるところもあるらしい(blog“Kakoの手文庫”の「ぼんやり街を歩きたい」参照)。

しかし、子供たちをつれてぞろぞろと買い忘れたマヨネーズひとつを買いに行く気にはやっぱりりなれないな。
そこで、次の心掛け。
まずはきちんと鍵をかけて、それから安全運転で出かける。
「自分ひとりの身体ではない」ということを肝に銘じておこう。
そして子供たちには
「必ずすぐ帰るから、待っててね」と言って出かけよう。

だって、この子たちには私はまだ当分は必要な存在なのだから・・・。

しかし、私が一人で自転車に乗って外出しているときはいつもこんなことを考えているなどと、
子供たちや周囲は、それこそ「誰も知らない」ことである。

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コメント

こちらこそ、コメントありがとうございます。
Kakoさんからのコメントはとてもうれしく、ある意味誇らしい気さえします。
(でもTBを貼ってはコメントをいただいているようで申し訳ないですね。「ちょっとズルイかな」と後ろめたいです。)

「子供を成長させること」と「子供を守ること」とを折り合いつけていくのって難しいですよね。特に昨今の世情では・・・
結局、自分なりにバランスをとっていくしかないのでしょうが。

投稿: ぞふぃ | 2004/08/06 11:47

ぞふぃさん、拙ブログへのTB、ありがとうございました。

私ももっと娘が小さい頃、考えましたよ。ちょっとの買い物のつもりが、事故に遭ったらどうしようって・・。私は自分の自転車の腕をまるっきり信用していなかったので、ほとんど子供を置いていくことはありませんでした。小心者なんです・・・。

そのせいで、娘はまだおつかい一つしたことがありません。これでいいのだろうかとも思います。でも、子供を一人で外出させないアメリカ人が、何も出来ない大人に育ったという話も聞きませんので・・。と、こんな風に自己弁護しております。

投稿: Kako | 2004/08/05 19:07

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