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2005/07/19

「スターウォーズ」と主婦と映画館

「・・・スターウォーズ、観に行きたいんだよね・・・」と夫が遠慮がちに切り出してきた。

「いいんじゃない」とあっさり私。
「でも、かわりばんこに観るしかないよね・・・」と、彼はまたさらに遠慮がちに続けてくる。

そう、子供がいてはね。
小学校低学年ぐらいなら、スターウォーズのような宇宙活劇が好きな子供も早くもいるかもしれないが、うちはダメ。
2時間以上も暗い映画館で大人しくさせるなんて無理に決まっている。

「うーん、私は別に映画館で観なくてもいいから、いいよ、ひとりで観にいっても。」
この私の言葉に、夫は拍子抜けしたようだった。

「スターウォーズエピソード3―シスの復讐」
―この約30年越しの壮大な叙事詩の完結編を映画館で観ずして、
一体どこで観るというのか!
全くこの女はわかっていない!

とまあこんな風までは思わなかったろうが・・・
自分が思い入れていたものの半分もイレ込んでいない妻の態度には、
ちょっと寂しい思いを感じたらしい。

しかし考えてみれば、かわりばんこに映画を観るというのもかなり無理な計画だ。
そんなことをすれば1本の映画にトータル5時間以上を費やすことになる。
それをせずに済んだこと、妻がスターウォーズファンでなかったことに結果的には彼も内心感謝していたかもしれない。
「じゃあ、映画が終わったら一緒に食事をしよう」と約束をして、寂しさの中にも嬉しさを噛み締めながら夫はひとり先に出掛けて行った。


後から私が子供達を連れて出掛ける。
映画館そばの海岸の公園でサッカーなどをして適当に子供達を遊ばせながら、映画終了時間を待つ。

・・・待ちながら考える。


このまえ劇場で映画を観たのはいつだったか。

それは、去年の晩秋のこと。
子供が何かの遠足でふたりとも夕方まで出掛けるので、それじゃあ映画でもって出掛けたんだっけ。

あのときはいまよりずっと日は短くて、
映画が終わって出てきたときはもう日が傾いていて、
その様子を見て、何となくやるせない気分に陥ったものだった。
無論、映画はそこそこ面白かった。
映画が終わったあと、ふたりでお茶を飲みながら今観た映画の話をするのも、新鮮だった。
でも、
「貴重な休日昼日中の2時間を映画なんぞに費やしてしまった」
というような微かではあるが
妙にくっきりとした後悔に似た思い、
それが今も残るこの日1番の思い出なのである。

今更ながら思うこと
・・・映画って、
お金もさることながら時間も費やす娯楽なのだ・・・

暗闇に何百人かが閉じ込められ、2時間あまりひたすら1つのストーリーをみせられる。
人々は見るよりほかに何も、
例えば家でDVDを観るときのように洗濯物を畳んだりすることも、
やることはできない。

今や家庭にホームシアターシステムや大画面のテレビもそれ程珍しくないご時勢。
DVDも画質はいいし、周りに遠慮なくおしゃべりすら出来る我が家のリビングでの鑑賞も捨てがたい魅力があるのでは?
殊に、こまごま小さな仕事数多くこなす主婦にとっては、
案外何気に敬遠されている娯楽なのかもな、劇場での映画って・・・


そろそろ、「シスの復讐」も終わる頃だ。
夫から携帯に電話が入る。

その日の夕食、
矢継ぎ早に映画のストーリーを尋ねる私に
夫はこう言った。

「やっぱりかわりばんこにでも観た方がよかったかな」

いや、
私はスターウォーズファンってわけでもないし、
どちらかというと、
ネットのシネマレビューなどで突っ込み放題突っ込まれているあたりを確認したかった
って感じなんだけど。

でも、そんな意地悪な理由にしろ何にしろ、
やっぱり劇場で映画を見たかったというのは正直なところなのか?

・・・そう、やっぱりそうなのかもしれない。

暗闇に何百人かが閉じ込められ、2時間あまりひたすら1つのストーリーをみせられ、
人々は見るよりほかに何もゆるされなくても、

いや、ゆるされないからこそ、

劇場での映画鑑賞は
時間の無い主婦にとって、贅沢な娯楽なのかもしれない。

・・・そうだね、今度はやっぱり一緒に観ようか・・・

なんだか、

またあの時間を無駄にしたような

心もとない気分を味わってみたい

そんな気分に、

無性になってきた

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