« 「不倫純愛至上主義?」 | トップページ | 「おんなVSをんな」って一体? »

2005/09/16

「無量大数」に至るまで

 「いちばん大きい数を教えてよ」と、子供が尋ねた。
 えぇっ?一番大きい数って言ったって・・・と困惑する私。
 畳み掛けるように子供は
 「○○くんがムリョウタイスウがいちばん大きいって言っていたよ。」
 と続ける。
 「ムリョウタイスウ?」
 「ムリョウタイスウ」ってひょっとしてあの「無量大数」のことかしら?
 ・・・「無量大数」
 その言葉を私はずーっと昔に耳にしたことがある。
 それはあるテレビコマーシャルの中でのことだった。


 バックは壮大なる宇宙。
 その雄大な風景にむかってロケットが発射されるシーンなどが描き出される中、
 一、十、百、千、万、億、兆・・・
 淡々と数の単位が読み上げられていく。
 ・・・兆、京(ケイ)、秭(シ)、穣(ジョウ)、溝(コウ)、潤(カン)、正(セイ)、載(サイ)、極(ゴク)・・・
 どんどん見たこともない字、
 読み仮名をふってくれねば分からないような難解な字が続いていく。
 ついに
 ・・・極(ゴク)、恒河沙(コウガシャ)、阿僧祇(アソウギ)、 那由他(ナユタ)・・・
 と、単位は一字を越えて何やら東洋哲学や仏教思想のような様相を見せて来、
 ・・・那由他(ナユタ)、不可思議(フカシギ)、無量大数(ムリョウタイスウ)
 に至る。
 そして最後の〆の一言(うろ覚えなので定かではないが)。
 「・・・はるか古代にも
 既に我々の想像を絶するほどの壮大な数の世界が存在したのだ・・・」


 これはその昔、
 「COSMOS―コスモス」という科学番組の放映時に、提供していたIBMのコマーシャルであったと記憶している。
 昭和50年代半ば、
 コンピューターというものは一般家庭にはまだまだ縁遠い製品であり、
 そのメーカーであるIBMという企業を、私が初めて知ったのもそのときだった。
 当時子供だった私には初め、それはコマーシャルではなく番組の一部のように思われるほど壮大で精巧なものに映ったものである。
 「すごい、すごい!こんなに大きな数を昔のひとは考えていたのか!」

 そして四半世紀を経た今現在。
 「兆」なんて国家予算にしか使われない単位だと思っていたが、
 ギガ(10億)やテラ(1兆)などという大きな数の単位は意外とお金の分野以外でも身近なものになってきている。
 そのうち「穣(ジョウ)」だの「潤(カン)」だのいう単位も、さほど「?」というものではなくなる日がやってくるのかもしれない。

 人間の生きる世界はそれだけ、広く深くなっているのだなぁ、
 しかも急速な速さで。


 さて、
 子供に言われてこのCMを思い出した私。

 無量大数以外のほかの単位を調べたくなったのだが、
 それを調べるのはいとも簡単になことであった。
 そう、例によってこのインターネットの検索を使って。
 最近は、調べものなら何でも検索に限る。
 歴史の詳細、著名人の血縁関係、名文の出典、果ては英語の綴りに至るまで、
 苦もなく瞬時にパソコンは答えを示してくれる。

 ・・・
 しかし、
 そのあまりの便利さに、
 ふと、そら恐ろしくなるときがある。

 こんなに甘やかされ贅沢で脆弱になった我々が
 なんらかの天災などにより、ある日突然文明を失ったら?

 (気の遠くなるほどの膨大な数は、
 やはり頭の中で考えているだけの時代の方が良かったのかなあ・・・)

 そんな気弱は心持に私がなるのは、

 何者かに対しての

 良心の疼きなのだろうか。


|

« 「不倫純愛至上主義?」 | トップページ | 「おんなVSをんな」って一体? »

コメント

涼さん、こんばんは。
このものすごい便利さゆえに、パソコンの検索が辞書や百科事典に全て変わる日がくるのでしょうか。
なんだか怖い気がします。
できればこの文明の利器に頼り切らないで生活しておきたいものですよね、保険をかける意味でも。
コメントありがとうございました。

投稿: ぞふぃ | 2005/09/17 00:43

さっきココログへログインしようとしたら、IDとパスワードを求めてきました。PC環境が変わったからですが、こんなちょっとしたことでも慌てました。

便利さに慣れすぎてはいけませんね。

投稿: | 2005/09/16 21:01

この記事へのコメントは終了しました。

« 「不倫純愛至上主義?」 | トップページ | 「おんなVSをんな」って一体? »