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2006/01/27

モーツァルトはお好き?

 ラジオから、ちょこちょことモーツァルトの楽曲が流れてくる。
 それを聴きながら私は
 「このメモリアルイヤーはクラッシク音楽業界にはちょっとしたビジネスチャンスの年になりそう」
 という先日の新聞記事を思い出す。
 2006年1月27日、
 今日はモーツァルトの生誕250年目の記念日だ。

 数ある作曲家の中でもモーツァルトを好む人は多い。
 軽やかで聴きやすい、癒しの効果もある。
 クラッシック音楽を聴いてみようかなんて思ったときとりあえず手に取るには最適なのかもしれない。
 だからってビギナー向きのみの作曲家ではもちろんない。
 クラッシクに精通した人もまたこの軽やかで心地よくとっつきやすい音楽に、
 聴けば聴くほどに、奏でれば奏でるほどに深みを感じるらしい。

 それほど多くの人を深く魅了するモーツァルトの音楽。
 しかし、私自身はさほどモーツァルトの曲には夢中になれないでいる。

 もちろん私だって、トルコ行進曲やアイネクライネナハトムジークを鼻歌で歌ったりもする。
 映画「アマデウス」も好きだし、その中でかかっていたレクイエムもいいと思う。
 でも素晴らしいと言われるオペラ「フィガロの結婚」の伯爵夫人のアリアなど、注意して聴いているにもかかわらずいつのまにか終わってしまっていたり、
 「魔笛」の夜の女王のコロラトゥーラなんて「すごい」とは思うけれど「鳥肌」なんて立たないし・・・
 つまり私が比較的興味あるジャンル、オペラについては好みの作品がモーツァルトにはなかったということだけなのかもしれないのだが・・・
 だが、それプラス「私が好きにならなくたって他にいっぱい好きな人はいるんだからいいよ!」みたいな気持ちもあるのだ。
 生来のあまのじゃくのせいで、超メジャーなものにはどうも食わず嫌いの傾向が私にはあるらしい。


 しかし、今月の初めに読んだあるエッセイにより、
 私の中にはそれについてのちょっとした変化が生じたのだった。

 「・・・モーツァルトを経ずに他の作曲家のファンになっている人たちには、どこかつっぱった突拍子もないところがあるように思われる。
 何か無理があるというかというか・・・
 一方モーツァルトをよく聴き込んだ上で改めてその他の作曲家の愛好家となった人には、余計な力が抜けている・・・」

 こんなような内容の文章が、
 とある雑誌の新年号でモーツァルト特集に寄せられていのである。
 モーツァルトを経ずして他の作曲家を密かに愛好している私には当然あまり面白くはない。

 (ええぇー、なんか納得いかないなあ。
 そんなにすごいの、モーツァルトって?
 それじゃあまるで音楽の規範か神様みたいな扱いじゃない?)

 と不満たらたらに最初は思ったものだった。
 が、しかし、
 それから半月たった今でもその言葉が頭にこびりついて離れないでいるのも事実なのだ。
 それは

 「・・・どこか無理がある・・・」

 というその指摘に対して認めたくないながらもある意味真実をつきつけられたような感覚があったからなのだろう。
 他の人はさておいて私の場合に当てはめてみると、
 この言葉はまんざら出鱈目ではないようなのだ。


 では、とりあえずモーツァルトの中で好きな曲でも探してみようか・・・

 ちょっとそんな気になってきた。

 ひょっとしてモーツァルトには人を素直にさせる何かがあるのだろうか?
 それが、
 彼の音楽の魅力であり
 多くの人に愛される理由なのか?

 それはまた、
 モーツァルトをじっくり聴き込んだその後でということで。

 今年の終わりごろ、
 私の中の「つっぱったところ」がなくなっているとしたら、
 そのことについてはまた書いてみるとしましょう。


 ところで最後に
 これを読んでくださったあなたへ、

 あなたはモーツァルトがお好きですか?

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コメント

KiKiさん、コメントありがとうございました。
ほんとですね。15年前には没後200年だったし、10年前にも生誕240年というわけでそれなりに何かやっていたみたいですね。
人気ある作曲家なんだなーという思い、ひとしおです。

投稿: ぞふぃ | 2006/01/30 12:48

こんにちは♪  やっぱりぞふぃさんと KiKi はどこか似ているところがあるみたい(笑)。  KiKi もモーツァルトよりもベートーヴェンやブラームス、フォーレなんかの方をより好んでいます。 

>「・・・どこか無理がある・・・」
というその指摘に対して認めたくないながらもある意味真実をつきつけられたような感覚があったからなのだろう。

確かに・・・・。  そう言われてしまうとそんな気がしないでもない・・・・、そんなぞふぃさんのお気持ち、何となくわかります。  KiKi もちょっとそんな気がしますから(笑)。  生来の天邪鬼??  そう、KiKi も同じです。  

以前モーツァルトの音楽を聞かせたお酒の発酵がいいとか、野菜の成長がいいなんていうニュースを聞いたときにも思いました。  「お酒や野菜にもわかるモーツァルトのよさがわからない KiKi っていったい・・・・ ^^;」って。(爆)  まあ、せっかくのモーツァルト・イヤー。  KiKi も今年はちょっと意識的にモーツァルトを聞いてみたいと思っています。  でも、モーツァルトって若くして亡くなった人なので、生後とか没後とかのメモリアル・イヤーが多い作曲家でもあるんですよね。(笑)  

投稿: KiKi | 2006/01/29 18:58

Bachさん、やはりBachさんは相当の音楽通でいらっしゃるのですね。すごいです!
いつもながらの丁寧なコメントをどうもありがとうございました。


投稿: ぞふぃ | 2006/01/28 21:27

なるほど、オペラがお好きなんですね。
W.A.Mozartのオペラは軽薄感が漂っている?洒落っぽさだけで内容がない?
私はオペラはあまり聴かないので何とも分かりませんが。
私はメルアドにバッハとモーツァルトを入れているように好きです。でも気分によって使い分けていますから、一番好き?って言われたらNoで、順番はと言われたら迷ってしまいます。主に器楽曲を聴きますから、いつでもどこでも無難に聴ける・・・そんなお得さがあるって感じでしょうか。
一番はJ.S.Bach、後はMozartもHaydnもChopinもHandelもDebussyもBeetovenもBramsもShumannもMahlerも・・・えーつとあとはMendelssohnにTchaikovskyにRachmaninoffなんか・・・。結局、みんなですか・・・でも嫌いな作曲家はちゃんといます。
そこは主体性を持って???
Mozartは時代的にあのスタイルしか生きていけなかったという背景を考えて同情する部分が多いんです。
でも依頼ではなく、自分の意思で書いた曲は命を洗われます。Blogに書いたAve Verum Corpus やRequiem(といってもこれは半分は弟子ジェスマイヤーが書いた訳ですが)は何時聴いても心が浄化します。
いつものようにとりとめも合い文でした。

投稿: Bach | 2006/01/27 23:25

涼さん、コメントありがとうございます。

>その時々の一番人気に飛びつく気持ちになれないのです

その気持ち私もあります(笑)。

>好きだというほど詳しくはないし、好きだなと思ってよく聞くのがたまたまモーツェルトだったという曲はあります。

そう、そういうもんですよね。どうもクラッシクってなると私はついつい「音楽に精通していなくちゃ」みたいな気分になってしまって困ったものです。誰が作ろうが好きなものは好き、それがいいのですよね。

投稿: ぞふぃ | 2006/01/27 23:15

こんばんは、幾つかコメントをしたいと思いつつ、日が過ぎていきました。

∥「・・・どこか無理がある・・・」

この前後の言葉に一人うなずいていました。
決してわざとではないのですが、その時々の一番人気に飛びつく気持ちになれないのです。

∥あなたはモーツァルトがお好きですか?

好きだというほど詳しくはないし、好きだなと思ってよく聞くのがたまたまモーツェルトだったという曲はあります。

投稿: | 2006/01/27 17:47

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