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2006/05/22

「ダ・ヴィンチ コード」と「しるしを求める人々」

 ご多分にもれず
 昨日の日曜日、映画「ダ・ヴィンチ コード」を観て来ました。
 いいように映画配給会社の手玉にのせられているといった感じですね。
 思ったとおり
 映画館はそういう老若男女でごったがえしていました。

 2時間半にも及ぶなかなかの長時間作品。
 内容に関しては以前ゴトウさんの記事を拝読して
 予習済みだったのですが、
 見終わった私の心に浮かんだ言葉は、
 目から鱗の奇想天外な物語!だとか
 キリスト教を冒涜するけしからん話だ!とかいうのではなく

 こんなにも
 「ひとはしるしを欲しがる」ものなのか!

 というもの。

 実際に奇跡が行われたというしるし、
 もしくは行われなかった(嘘だった)というしるし。
 そして奇跡を信じるもの
 信じたいと願うものには、
 目に見えて拝むシンボルとなる具体的で美しく高貴なるしるし。

 例えば聖杯という秘宝や偉大なる血統、
 実は人間であった救世主とか。
 そういうものはロマンティックな物語を際立たせ、
 人々の心に情熱を掻きたてます。

 でもそれらにはこの際大きな意味がないことは
 多分皆十分知っているはずなのです。
 「見たから信じる」「あるから信じる」とは
 「愛されているから愛する」と同じように
 至極当然のことなのですから。

 でも
 それでも
 「ひとはしるしを欲しがる」

 「しるし」は決して与えられないと知っていても、です。

 日常に不足しているロマンを補うためなのか、
 あまりに真剣に絶対者を捜し求めるゆえなのか。

 きっと、どちらもあるのでしょうねえ。


 ところで映画のことですが、
 これはもうロマンなのですからもう何も言いますまい。

 つまり
 それだけのことです。

 「冒涜」うんぬんは
 映画会社の宣伝文句、
 と考えるのが一番だと思います。

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コメント

涼さん、再度にご訪問とTBをありがとうございました。
非キリスト教国の日本とキリスト教国とではやはり大分反応が違うようですね。ただ騒げば騒ぐほど配給会社は大喜びなんではないでしょうか。
原作をお読みの涼さんは私よりこの作品の魅力を掴んでいらっしゃるかと思いましたが、そうですか?イマイチのようですね?(映画では描きにくいと思われる)謎解きのプロセスあたりがこの話のミソかとも思いましたけれど、さほどではないようですね(笑)。


>ゴトウさん、コメントありがとうございました。
吹き替え版だったのですよ、観られたのは。しかも最前列。原語上映は既に夜まで満席でした。でも吹き替えでもいいかな。セリフも多そうでしたし。でもご夫君はそうはいかないですよね(笑)。
しかし、

>最終的な意味は「自分の内にしかない」

全くそのとおりなのに、何で今更大騒ぎになるのかという気がしますね。まあ、三面記事的に話題に上っているのをみるのは確かにあまり面白くはありませんけれども、ね。

投稿: ぞふぃ | 2006/05/23 12:46

ぞふぃさん、観たれたんですね。私は土曜日に予約してチケットを買おうとしたらほぼ満席だったので止めました。夫は「ワルい映画!」と怒っていたわりに、けっこう楽しみにしていたようでインターネットでいろいろ情報を集めてましたけど(笑)。
「しるしを欲しがる」、そうかもしれませんね。意味のたいしてないことに、必死で意味を見つけようとするのが人間の性なのかもしれません。
最終的な意味は「自分の内にしかない」と思うのですが。

投稿: ゴトウ | 2006/05/22 21:50

また来ました。
ヨーロッパでも色々な反応があるようです。トラックバックさせていただきました。

投稿: | 2006/05/22 18:56

只今本を読んでいます(中巻を終えたところ)。映画は、多分観ないでしょう。
話題作というだけかなぁというのが、正直な感想です。

投稿: | 2006/05/22 17:43

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