恐れているのは?
もしも、
「本名を明かさねばネットに参加できない」
という規則が出来たらどうするか?
Linさんの「ネット社会と『作者の死』」を読んで、
ふとそんなことを考えました。
もちろん、私も匿名でサイトを運営しているひとりです。
何故実名ではなく匿名なのか。
この記事はそのことについてじっくり考える機会を私に与えてくれました。
いや、それほどどぎつい内容は書いていないつもりなのです。
匿名であっても根が小心者ですから
当然きっぱりと言い切った主張などほとんどしないし。
「じゃあ、実名で書いてみてもいいじゃないか、
責任の所在をはっきりさせる姿勢は、
文章を公表するのには必要最小限の条件なのだから。」
そうとも思ったのですが、それはやはりできない。
それは何故なのか。
私は一体何を恐れてそれができないのでしょうか。
自分のプライバシーや自分の家族や友人たちのプライバシーが
暴かれることなのでしょうか。
いえいえ、
それらも守ることはもちろん大事ですが、
テーマの選び方によっては例え実名であっても
それらを危険に晒さずとも記事を更新することは出来ます。
実際そういうプライバシーを一切書かないという条件でも
なんとかなる気がするのです。
そういうことよりも問題なのは、次のこと。
それは
この「私」という人間が
「どんなことを考えどんなことを思い暮らしているか」
が、実生活で身近にいる他人に知られること。
その人たちの前で、
私は、多分多くのひとと同じように、仮面を被って暮らしています。
まるで
「世の人全ての考えの最大公約数のことしか考えていないような仮面」
それを被って生きているのです。
でもそれだけでは
嫌だから、
物足りないから、
哀しいから
だから本当の自分の考えや、
もしくはこうありたいと願う自分の考え方をここに掲げる。
誰かが何かを思ってくだされば、と思い掲げるのです。
それが、私がblogを続ける理由なのかな。
そして
仮面を実生活ではずすことが出来るのであるなら
多分blogは必要ないというジレンマ。
うーん、
今回あらためて考えてみて、ちょっと自分にびっくりしました。
匿名でないと続けられないとがはっきりしたことに、です。
・・・・
ちょっと情けない気もしますね。
残念・・・
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コメント
涼さん、こんにちは。
なるほど、ペンネームですか。
そうなのかもしれませんね。
ここに遊びに来てくださる方たちには、「ぞふぃ」はどんなふうに思い描かれているのでしょうね。
ちなみに私の中では「涼」さんはかなり理想的な女性として存在しています。
お世辞じゃなく、ホントですよ(笑)。
投稿: ぞふぃ | 2006/09/08 12:54
こんばんは、
匿名というより、ペンネームだと考えればいかがでしょうか。
実生活で知っている人もいれば、ブログを通じてオフ会などで出会った方もいらっしゃる。
また、実際にお会いしていなくても、こうしたコメントのやりとり、いえ黙って拝読しながら書き手を想像していることもある。
現実の作家もそうではないでしょうか。写真で知っているように思っても、実は書かれたものでしかその方を判断していませんね。
知名度の違いはともかく、ハンドルではあっても自分で発信しているわけですから、書き手と読み手の関係は同じようなものではないかなと思った次第です。
投稿: 涼 | 2006/09/07 22:14
AKARUさん、こんにちは。
拝読いたしまして、「完全な匿名」と「ハンドルネーム」の違いみたいなものを改めて考えました。
完全な匿名(名無し)というのもまた哀しいものがありますね。完全に使い捨てられた言葉というか・・・
それだけの覚悟を持って使っていらっしゃるのなら「ハンドルネーム」もまたひとつの実名なのかもしれませんね。
私もひとつしかHNをもっていないのですけれど、実名と同じくらい重みをもって付き合って行きたいと思っております。
コメントありがとうございました。
投稿: ぞふぃ | 2006/09/04 17:12
Linさんのところから参りました♪
私の場合は多分変身願望みたいなものがあるですよ。
このハンドルネームには愛着があって、現実の私が侵食されてくように感じることもあります☆
ネットでもめたことが何度かあったけれど、それでもハンドルネームは変えません。
このハンドルネームを捨てるときはネットを引退するときか・・・今のところ一生捨てる気はないです。
完全な匿名(名無しさん)にはなれません。。
無駄に自己顕示欲が強いから(ノ∀`)
>「本名を明かさねばネットに参加できない」
>という規則が出来たらどうするか
すごく困る。。すごくつまらない。。
ネットは私にとって、現実と非現実の間みたいなものかな。。
(オフのことを"リアル"と呼ぶくらいだし)
投稿: AKARU | 2006/09/04 14:21
Linさん、
>現実で猫をかぶっている自分とのギャップを少しでも埋めたいからかも知れません。
なるほど。拝読してつらつら考えてみるに、私の場合は猫を被っているのはネットのほうもどうも同じのようだと気がつきました。
本文中では「本当の自分」と書いているけれど、それには多分に願望が含まれていますから。
したり顔でいい人ぶってる鼻持ちならない良い子ぶりに対して、実生活の私はもっと愚鈍で情けない人間、だから余計正体を明かせないのかもしれません(笑)。
「愚鈍で情けない私」も「ネットで気取ってる私」も両方とも「真実の私」であると同時に「虚飾の私」でもある。
その両方と上手く付き合って、
>それで現実生活も充実していくのなら、じょうずに利用したいですね。
本当にしみじみそのお言葉のとおりですね。
コメントありがとうございました。
投稿: ぞふぃ | 2006/06/07 18:21
TBと文中リンク、ありがとうございました。
ちょうど昨日更新した「名刺交換」の記事が、ぞふぃさんの仰っていることと重なるかもしれません。
現実では世間に波風立てないように、常識の仮面をかぶってやり過ごすことが多いですね。
その分、どこかで発散しなければやりきれない。
ネットをそういう自己表現の場として利用している人は多いと思います。
私はどちらかというとネットでも本名で書きたいと思うのですが、それも現実で猫をかぶっている自分とのギャップを少しでも埋めたいからかも知れません。
でも、こんなふうに自分のあり様を確認出来る場があるのはいいことですよね。
それで現実生活も充実していくのなら、じょうずに利用したいですね。
投稿: Lin | 2006/06/07 16:26
ゴトウさん、
>うーん、自分はいったい何をしたいのか。
と考えているうちに、ネット社会はずんずん進んでいくのでしょう。
まさにそんな感じですね。
「とりあえず書いてみる」、そして「公開してみる」。
それだけなのかもしれません。
コメントありがとうございました。
投稿: ぞふぃ | 2006/06/07 12:31
ぞふぃさん、こんばんは。
匿名ですか。考えたことなかったなー。私は仕事柄実名でもけっこうネット検索で出てきてしまうのですが、何だかイヤな気持ちもしますね。仕事関係の人から「あの記事読みました。」とか、当人は誉めているつもりなんでしょうけど、どうも慣れません。
ブログはどうでしょう? 確かに匿名でプライベートに突っ込んだところが書けるという利点はあると思います。ただこれもメディアであることには変わりないですし、基本的に他人に読んでもらうことを前提に書いているわけですから。
うーん、自分はいったい何をしたいのか。
と考えているうちに、ネット社会はずんずん進んでいくのでしょう。
投稿: ゴトウ | 2006/06/06 23:15