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2006/07/20

「顔」から始まるノスタルジー

 昨日ちょっと面白い番組を観ました。
 NHKの「ためしてガッテン」、
 テーマは「極意は脳!夢の似顔絵上達術」です。

 今更ひとさまの似顔絵を描いて褒められたいと思ったわけでもないのですが、
 観ているうちに意外と興味深く感じられる点がありました。
 「何が?」っていうと、
 それは人間が他者の顔を認識するの際しての脳のメカニズム。

 どうやら
 人間の脳というものは「顔」を認識するのに
 ある特殊な場所
 (脳の側頭部、英語でFace Aria=顔領域と名づけられている箇所)
 を使っているらしいのです。
 この脳の顔領域は、生後5~8ヶ月に急速に発達。
 これは赤ん坊が必死で人を見分ける訓練をするがゆえの発達のようですね。
 というのも、人間にとって
 「顔を記憶し処理することは社会で生きていく上でとても重要」であるからなのだと。
 言い換えると
 それほど重要であるからこそ
 殊「顔」に関しての処理がこの特別領域で
 特に集中しておこなわれるようになったらしい、というのです。

 で、認識に使われるメカニズムはこんな感じ。
 約2000ほどの顔を人間は記憶できるそうですが、
 その管理は目・口・鼻などのパーツの大まかな記号化と
 その配置のイメージ化で行われます。
 そしていわゆる特徴をデフォルメされ簡略化されたその「顔」を
 頭の中に設定されている無個性の「標準顔」と比べ
 その差異の大きさで
 記憶格納場所を決定するというシステムなのではないか、
 というのが番組での説明でした。


 そうして培われた人間の「顔」認識能力。

 このことを聞いて私が思い出したのは以前読んだエッセイのこと、でした。
 確か「その顔にピンと来る」という題名だったか。

 そこで筆者は、
 顔を認識するメカニズムの不思議を
 「どこをどう見極めて、
 一瞬にして『知っている人』『知らない人』に選り分け、
 『知っている人』なら『どこの誰』まで特定できるのか」
 と驚異の目で見つめていました。
 それは
 そのエッセイをぼんやり読んでいた私にも
 「確かに・・・」と十分納得し大いに考えさせられたものです。

 いや、このエッセイばかりではありません。
 実にさまざまな
 普通なら見過ごしてしまいそうな些細な事柄も
 さりげなく取り上げる、
 そこはそんなサイトだったのでした。
 それもなんとも巧みに・・・


 あれから1年半ぐらいが流れ、
 そちらのサイトも今やすっかり模様替えされたようです。

 全てを忘れた頃にこうした番組が放映され、

 「人間がその能力を得るのにはそれ相応の理由があり
 そのための弛まぬ脳の鍛錬があったのだ・・・」

 なんてことを私は知ったわけなのですが、
 惜しいかな、筆者である方に伝えるスベもありません。
 いや、スベはあるんでしょうが、
 そんな必要もないということを自覚している私がいるだけ、
 ということなのでしょう。

 うーん、結局何が言いたいのか・・・
 つまりこの筆者のファン(それも熱烈な)であったこと
 それだけが言いたかったような気がしてきました。


 ちょっとしたノスタルジー、ってやつなのか

 どうも、
 なんとも、
 失礼致しました・・・

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コメント

おーとさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
そうなんですか、おーとさんは顔を覚えるのが苦手なんですか?
私の場合、相手が忘れて欲しいような事柄とその方の顔はしつこく覚えているくせに、
大事な方をころっと忘れていたり・・・全くたちの悪い記憶力だったりします。
きっとおーとさんのほうがそんな私よりずっと良心的ですね。
それに
「ひとよりも山に関心ある」なんて、
ちょっとカッコイイ、ですよぉ(笑)

投稿: ぞふぃ | 2006/07/24 13:45

お話を拝読して「やはり…」と思いました。私は他人様の御顔を覚えるのが超苦手でして、仕事にも差し支えるほどなんです。これってフェイス・エリアが未発達のまま成長しちゃったってことなんでしょうか。当然ながら似顔絵なんて書く才能は全くございません。
他人様に関心が無いから覚えないのか、それとも覚えられないから自閉症気味になるのか、はたまた先天的能力の問題なのか…。いずれにしても、人のいない山奥に魅力を感じる傾向が年々昂進しつつございます…。

投稿: おーと | 2006/07/23 22:59

こちらこそ、ご無沙汰いたしております。
そうですか、もうあのスイス旅行から5年もたっていらっしゃったのですね。月日が経つのは本当に早いです。
HPのほうも書き加えられたとか、では早速お邪魔しなければ(笑)。
私どもも、出来れば2回目を考慮に入れたい今日この頃ですが、一体どうなるものやら・・・
久しぶりにお話を伺い、当時のことが懐かしく思い起こされました。
ご訪問とコメント本当にありがとうございました。

投稿: ぞふぃ | 2006/07/23 18:15

ご無沙汰しています。
福岡の脳天気家族です。
私も先日の「ためしてガッテン」を家族で楽しみました。

デフォルメを用いて「見ている」のと「理解する」は別物と詳解されており、子供も興味深く見ておりました。

脳学者の養老氏が以前著書で同じ内容を紹介してましたなあ。

さておき、我が家のスイス珍道中から5年。
毎日仕事に忙殺され、なかなかHPを更新できませんが、更に忙しくなる前に少し書き加えています。
完成する前に、2回目の旅行になったりして・・・ないか?失礼しました。

投稿: ほしぞら倶楽部ちび山さん | 2006/07/22 14:41

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