断ち切れない言葉たち
例えば
「○○みたいな」とか
「○○ってかんじ」とか。
それから
「させていただきます」とか
「一応○○なんですけど」の「一応」とか。
いや、
そもそもこの「・・・とか、・・・とか」
という言葉自体もなのですが、
ひとがそう言っているのを聞いたとき、
あるいは
自分自身でそのように話しているとき、
何とも居心地の悪い気分を味わうのです。
「みたいな」「ってかんじ」
それに「とかとか」って
何を恐れてはっきり言い切ることができないのでしょう。
「させてもらう」で十分なのに
「させていただく」なんて
バカ丁寧過ぎてなんだかかえって慇懃無礼じゃありませんか。
それに「一応」って何でしょう、
それは謙遜のつもりですか?
それとも自分の為し得たことの凡庸さを
世の人に指摘される前に白状しておいたほうがいいという
処世の術として使っているのでしょうか?
明らかに
「聞き苦しい」と分かっているのに
ついつい使ってしまうこれらの言葉たち。
本当は使わない方が
ずっとスマートで感じがいいはずなのに、
何故か切り捨てることができない。
長い間の習慣でしょうか?
それとも周りに気を使い
同じくぼんやりやんわりした物言いをし、
過剰なまでの敬語を互いに使いあう
周囲に同調するためなのでしょうか?
常にまわりの目を気にする
そんな心の弱さ。
そうと分かっていながら断ち切れない自分の後ろめたさ
まあ結局
そのあたりが
実際の聞き苦しさ云々よりも問題のようです。
この
「居心地の悪さ」の大半は
そこから来るのかもしれません。
せめてこの場では、
それらを断ち切ってしまいたいもの・・・
つくづく、
そんなことを感じます。
(「感じたりします」とは
今日は書けませんね、さすがに―苦笑)
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コメント
Bachさん、こんにちは。
コメントありがとうございました。
なるほど「和をもって尊しとなす」ですか・・・
本当に日本人はそれを大切にする(もしくは大切にする振りする)人々ですよね。
それが私たちの「優しさ」であり「弱さ」であるのでしょう。
ごめんなさい、
結局自分は「優しい」振りをして「弱さ」をごまかしていくしかないようです・・・
投稿: ぞふぃ | 2006/09/26 12:43
こんにちは。
いかにもぞふぃさんらしい話題で感心しました。コメントされている方々の弁も軽妙で洒落ていて楽しい!
本質的に「和をもって尊しとなす」の日本人的遺伝子がなせる業なのか、それとも横並びにいることで安住することを教えた教育の成果か、いやいや、個性重視のはずなのに没個性の発言は妙に事なかれ主義で・・・などと、とりとめもなく考えてしまいました。
何にせよ、自己と他者の区別を明確にできない、自分の世界観がない自信のなさがそうするのかなぁと思ってきました。そのような発言をする人の話の中身って、安易な他人の受け売りだったり、経験していないために稚拙になっている理論だったりと薄っぺらな感じがしているんですけど。どうでしょうかね?単に言葉の流行だけではなく、内面を映すのが言葉ですからね。さてさて。
投稿: Bach | 2006/09/26 10:18
>涼さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
>どうも、これらは最近多用されているような気がするのです。
ううむ、言葉が足りなくてすみません。長い間の習慣というのはあくまで私のの中でのこれらの言葉との付き合いについてのことです。社会においてこれらが過剰に使われるようになったのは最近の顕著な傾向ですね。
>何となくオブラートに包んだ言い方をする方が、相手に気を使っているように受け取られる。そういった心遣い?が働いているということらしいです。
そうなんですよね。こんなこと書いていながら、実は私は誰かにそのものズバリ言われるとカチンときちゃうのも多々あるのです。だから嫌だなと思いつつも「婉曲表現」や「過剰な敬語」を切り捨てられないのかもしれません。
できればシンプルかつ相手を思いやれる言葉を模索していきたいものです。とっても難しそうですが・・・
>ゴトウさん、
私はその反対で「言いたいことを言う勇気がなくて」損ばかりしてきた気がします(笑)。
(その反面糾弾されることはあまりないかもしれませんけれど・・・)
結局そういうふうにしか生きられないってことのようですね(苦笑)。
コメントありがとうございました。
>おーとさん、
なるほど「やらせていただく」の嫌らしさはそんな含みもあるがゆえのことだったのですね。
以前、「いたしかねます」という言葉にも同様の含みを感じるという文章を目にしたことを思い出しました。「できないのは自分が悪いのではなくそんなことを要求してくる相手のほうに原因があるって言っているみたいだ」という内容でしたけれど。
「一応」も耳にするとおーとさんのお客さんではないのですが、「なんだよイチオウって」とムッとしますね。でも気弱なときなど使ってしまう自分がいる・・・ああ、もっと強くなりたいものです(苦笑)。
ありがとうございました。
投稿: ぞふぃ | 2006/09/22 12:33
ゴトウさんの最後の一文に爆笑してしまいました。そのウィットを持っていらっしゃれば決して損などされていらっしゃらないのでは?(笑)
「バカ」が付いても丁寧語であればまだ良いのですが、「させていただく」というのは責任回避が透けて見えますね。「私がやりたい訳じゃないんですよ、皆さまがそうご希望なので、それをおもんばかってですね…」なんて言いたいんでしょう。ハッキリ「やります」、丁寧に言いたければ「いたします」と言えば良い筈なんです。
「一応」と似たのに「とりあえず」ってのもありますね。私は営業の仕事なんですが、お客様に対してはこれらの言葉を使わないよう、できるだけ気をつけてます。失礼にあたるというより、提案している内容に自信が無いように思われて成果に繋がりにくくなってしまうからです。
でも、上司からの指示に対しては使いますよ。「はあ、とりあえず、何とか一応努力させていただきます…」
投稿: おーと | 2006/09/22 00:59
ぞふぃさん、うらやましいです。
こういう言葉をうまく使えないため、「はっきりものを言い過ぎる」とか「人の気持ちがわからなさすぎる」とかよく非難されます。
なんだか損してるような感じ。
投稿: ゴトウ | 2006/09/21 22:25
∥長い間の習慣でしょうか?
そうでしょうか? どうも、これらは最近多用されているような気がするのです。
曖昧な言葉で断定することを避ける。それによって断定するというリスクを回避出来る。
本来その場に相応しい言い方があったはずなのに、何となくオブラートに包んだ言い方をする方が、相手に気を使っているように受け取られる。そういった心遣い?が働いているということらしいです。
(勿論、使っている一人一人がそう思っているわけではなく、単なる流行?なのでしょうが)
それにしても、「……という感じ」という言い方は、よく聞くようになりましたね。そして、便利かもしれませんね。
投稿: 涼 | 2006/09/21 17:57