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2006/11/07

「フラットライナーズ」

 週末「フラットライナーズ」っていう映画を観ました。

 いわゆるB級ものらしく
 SFなんだかホラーなんだかサスペンスなんだか、
 (それともひょっとしてヒューマン?)
 なんて感じの、まあどっちつかずの映画。
 それほど有名な作品ってわけでもなさそうです。

 ストーリーは
 心臓停止状態を人為的に作り出し、
 それによる臨死体験をしようとする医学生たちの物語。
 で、
 もちろん私が興味があったのは
 その死後の世界についてだったのではありません。
 その臨死体験によって
 揺すり起こされた彼らの心の中の闇の問題、
 そちらのほうがメイン・テーマだということを聞いたので
 このDVDを借りようと思ったわけだったのでした。


 先日、
 私は「ずっと疑問だったこと」という記事で
 いじめた側の心はどうなっているのだろうか
 との問いかけをしました。

 多分
 彼らは思い出しもしない、
 罪の意識すらない、

 多くのひとが皆そう思っていることでしょう。
 私も事実そう思っていました。
 やられたほうだけが
 一方的に恐れ恨み、
 心に深い闇をもつものなのだろう、と。

 しかし、
 この映画ではそれが違っていた・・・
 臨死状態が
 記憶の奥底に隠されていた
 かつてのいじめっ子であった彼らの罪の意識を解き放ち、
 その罪をあがなうことで救いを求めていく、
 そういう展開になっていくのです。

 そんなバカな、映画の話だろ?
 十何年も昔にいじめた子のところにわざわざ謝りにいくヤツがどこにいる?

 本当に・・・。

 でも、
 昨日この映画へのレビューの中で、
 昔いじめた子のコトを繰り返し今でも思い出すという人を見つけ、
 この映画で青年が赦された時、自分もまた「救われた気」がした、
 と記しているものを読んだとき、
 私は不覚にも涙が出そうになりました。

 ・・・だって私もまた
 そんなような「どこにでもある」いじめを受けていた時期があったから・・・


 多分私をからかった人たちの中に
 そんなことを思っている人は誰もいないはず。
 こう書いているこの人だって、
 映画の感傷にひたって多少オーバーに書いているだけかもしれない

 それでも、
 そう一瞬でもちらっとでも思ってくれるひとがいた、

 それで十分なのかもしれません。

 これで、
 多分これから先もずっと消えることはないだろうと思っていた
 恐れからも、恨みからも、
 解放してもらえた・・・


 30年来の胸のつかえがようやく落ちたような、

 昨日は
 そんな日、でした。

 いい日、だったのでしょう、ね?

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