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2007/02/13

ほれたとは女のやぶれかぶれなり

 表題の古川柳は
 さる雑誌のなかで見つけた言葉。
 今から17,8年前か、
 とある女性筆者が
 恋愛指南として書いたエッセイ中で紹介していたものだ。


 その概要は、

 恋愛の上手な女というものは
 決して自分から迫ったりはしないものなのだ。
 彼女たちは、
 意中の相手には自分が好意があることをさりげなくほのめかし
 相手に告白をさせる手段をとる。
 逆に言うと
 ほのめかしても告白してこない相手というのは
 たとえこちらが告白してもダメだということ知っているのだ。
 が、それにもかかわらず
 「ほれた」と言わずにはいられない女もいる。
 彼女たちは一縷の望みを託して告白に踏み切る。
 だがその告白は、
 ほぼダメだという状態を決定づけるだけのこと。
 その最後通告を自分自身にするのと同じ、
 まさに、
 「ほれたとは女のやぶれかぶれなり」ということなのだ。


 とまあ、そんな感じだったか。

 うーん・・・
 当然、私は恋愛下手だったから
 この文章に出会う前にも
 既に何回かの「やぶれかぶれ」を演じ、
 結果敢無く撃沈され続けるという日々を送っていた。
 なるほど、
 そういうわけだったのか。
 考えてみれば、
 相手が自分に好意を抱いているかなんて
 何も言われなくともなんとなくわかるもの。
 わかっていながら、
 素知らぬ振りをされていること自体が
 既にその答えであったのに
 それに気付かず告白に踏み切るなんて
 なんと自分は馬鹿だったのだろう・・・


 でも、

 あれから十何年もたった今、
 よくよく考えてみると、
 自分は好んでその「やぶれかぶれ」をやっていた気もしてくるのだ。

 せっかちで
 何でもすぐ白黒つけたがる性質だからだろうか。
 私は「告白という行為」を
 その緊張感とともに
 かなり楽しんでいた気がする。
 だからその結果は
 とりあえずどうでもよかったのかもしれない。
 ま、そんな計画性の無さが
 不毛なる恋愛経歴を産んだのだと言われれば、
 そのとおりなのであろうが・・・


 明日はバレンタインデー。

 この日が
 女性からの告白の日だなんていうのは
 もはや小中学生の間のみの話なのかもしれないけど

 この日に
 あちらこちらで行われるであろう
 私のような無計画の女たちの「やぶれかぶれ」に
 先輩として
 ささやかなるエールを贈りたいものである。

 もちろんそれは、
 彼女たちの恋愛成就には
 全く役には立たないものではあるのだろうが・・・


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