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2007/02/06

「ダーウィンの悪夢」と「不都合な真実」と

 ・・・夕べ、ふと思いついて夫に聞いてみた。

 「あのさ、
 いまやっている映画でさ、
 『ダーウィンの悪夢』『不都合な真実』と、
 どっちか観なきゃいけないって言われたら
 どっち観る?」


 「観なきゃいけないって言われたら」
 と、
 私は言った。
 「観たいのは」とは、尋ねなかった・・・


 「ダーウィンの悪夢」と「不都合な真実」

 これらは両方とも、
 今私たちが直面している問題を取り扱ったドキュメンタリー映画だ。
 ひとつは
 グローバリゼーションの名の下行われている生活破壊が描かれ
 もうひとつは
 化石燃料に依存しきった現代文明がおこなっている
 地球規模の環境破壊の危機的状況が説かれている。


 その私の問いに対する夫の答え。
 「・・・『不都合な真実』のほうかな。
  『ダーウィン・・・』のほうは観た後の凹む度合いが
  ものすごそうだから、
  観に行くにはちょっと勇気がいるよ。」

 観に行くにはちょっと勇気がいる・・・

 ・・・スミマセン、
   私モマタ ソノ勇気ガアリマセン・・・


 観に行くべき、
 だけど、観に行きたくない映画・・・
 そういう映画なのだ、この「ダーウィンの悪夢」は。

 言いかえれば
 それは
 こちらのほうに、
 よりやりきれない真実が含まれているということを
 無意識のうちに感じとっているから
 と言えるのかも。


 豊かで便利な生活をおくるごく普通の善男善女、
 その私たちが実はその生活をおくること自体で、
 既にその手を
 数々の見えない多くの血で汚していること
 それを目の当たりにするのは
 かなりきつい。
 それに比べれれば
 まだエコライフを心がけることで
 救われた気分になる
 「不都合な真実」の扱う問題のほうがまだマシだ。
 (それだって十分自己満足を抜け出ていない気も
 しないではないけれど・・・)


 だが、

 きついからと言って
 逃げ回っていても仕方が無いのだし
 また
 覚悟を決めて観に行ったとして
 それで終わり、というものでもない。


 いつかは
 観るかもしれない、
 いや、きっと観るであろう「ダーウィンの悪夢」。

 それまでは、
 臭いものにフタをし続ける
 自分と向かい合う日々がただ流れる・・・


 そんな自分でいいのか?

 という自問は
 常についてまわる、というのに、だ。
 

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