にごりの美
最近気付いたのですよ、
濁音の美しさというものに。
私はね、
どうも濁音+ラ行の音に特に弱いらしい・・・
例えば
かずら(=蔓)
おごり(=驕り)
にごる(=濁る)
しぐれ(=時雨)
おぼろ(=朧)
みたいな・・・
なんだか
この手の言葉にはゾワゾワってきちゃうんですよね。
口の中でこれらの言葉を転がしているのは
なかなかの快感なんです。
何故なんでしょう。
音としての耳障りがいいということなのでしょうか?
私自身は一種の快感を感じるのですが、
それがどうも個人的感覚なのか
それともほかの人にもある程度普遍的に感じられるものなのか、
その辺はよくわからないのですけどね。
でも
考えてみると不思議な音です、濁音って。
濁るなんて一般的には決していいイメージではないのに
その濁りが思いもよらない味わいを
その以外の澄みわたった世界に与える・・・
さながらそれは
音の世界での
悪役でありながらいい味を出す名脇役のような存在、
とでもいいましょうか。
まあ
ともかくも
「言葉とは、その音を楽しめる短い短い『音楽』なのだな」なんて、
今更ながら
つくづく思った次第、なわけで。
さて
先ほど掲げた言葉たち
―3つの音で奏でられた音楽―は、
どれだけ
皆さんの心に触れることができたのでしょうね・・・
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