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2007/04/19

切り売りされる私生活

雑誌やテレビを見ていて、
著名なる人々がその私生活について語るのところに遭遇するのは、
たいていの場合
私をなんともいえない嫌な気分にさせる。

芸能人・政治家・経営者・弁護士・作家などなど
なんでもいいのだが、
私たち名もなき一般人が興味あるのは
その著名人のオフィシャルな部分
つまり彼の為した仕事内容だけのはず。
それなのに
どうして彼らの私生活を聞き出そうとしする野次馬たちが常にいるのだろうか。
そして
ぺらぺらとそれらを悪びれず語る著名人もまた
後を絶たないのは何故なのか。

彼らもまた私たち一般人と同じ人間であること、
その同じ人間として普通の生活―食事をし排泄もし夫婦喧嘩や子育てに苦労しているということを今更ながら確認したいからなのだろうか。
それとも
そのセレブたちが名声を得た理由を
彼らの日常生活への姿勢から導き出して己が生活の改善の糧にしようとでもしているのか?
または
ただただ憧れる人々のことなら何でも知りたいという
ファン心理のなせるワザにしかすぎないのか?
そういう哀しいまでの情熱ゆえなのか?


思うに、
著名人というものは皆
多かれ少なかれ私生活を切り売りして暮らしている人々なのだろう。
もちろん中には
それに反発しオフィシャルな自分だけを売り物にしたいと
純粋に願っている人もいることだろう。
だが、そういう願いを叶えられるのは極稀なことであり、
よほど才能あふれる者にしか許されない。
それほど一般人というものはある意味妬み深く
そして覗き見が大好きなのだのだから。
だから
その覗き見趣味を逆に利用して
その世界で生き残ってやろうと考える著名人がいるのだってうなずける。
そして、
そうやって生きている人のほうが
頑なに自分の本業だけに固執している人より、きっと多い・・・


テレビのスイッチをひねると
今日も映る
「得々と我が生活を語る」
よく知っているようで実は全く知らないその人の姿

だが、
うずたかく積まれた
その「私生活」の押し売りに

正直うんざりさせられている一般人は

決して私だけではないと思うのだが・・・


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