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2007/07/05

○○として、さらには「妻」として「母」として

テレビやラジオのゲスト紹介で
こんな言葉を聞いたことがありませんか?

本日のゲストはこの方、
○○として、さらには妻として母として一人三役のご活躍の××さんにお出でいただきましたぁ!
―ワー(と沸きあがる声) パチパチ(との会場の拍手)―


あー、
こういうのを見聞きするたびに
申し訳ないがうんざりした気分になってしまうのです。

一人三役って言ったって
今や大抵の人は三役やっているのは当たり前。
仕事を持つ女性のかなりの割合が家庭を持っている時代です。
「仕事が忙しいけど結婚していて子供がいる」
そんな定義最早ごくフツーのもんでしょう?

それなのに
当たり前の「妻」とか「母」っていう役割を
こんなにも前面に押し出してくるなんて・・・
これって悪いんですが
既に本業がイマイチってことなんじゃないかな
なんてうがった見方をしちゃいそうです。

一般の無名なる女性たちだって
地道にその「妻」や「母」をやりながら
さまざまな自己実現を図っている。
または
自己実現なんてかっこいいもんじゃなくたって
必死で生きているその姿は
「母」だ「妻」だなんてものを売りするどっかの有名人たちよりも
よっぽど好ましいように私には思われるんですけど、ね。

別に私は保守的な人間ではないつもりですが、
そんなふうに
いまだに「妻」や「母」を売りにできるなんて
まだまだ世の中って女に甘いんだな
と思ってしまいます。

女の武器って
発想の柔軟さとか当たりの柔らかさとか
または社交性とかもっと突っ込んでズバリ美貌なんかであっても、
誰もが当たり前に抱えているプライベートなんかであるわけがない。
そんなものを武器として持ち出したところで
実際何の役にも立たない・・・
本当のところは、そうじゃあないんですか。


いやはや
そんな社会には実はまだなっていなかったのか・・・

と思うと、
ちょっと驚いてしまいました。


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