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2008/04/15

「自然がいいに決まっている」けど・・・

朝のラジオから流れてくるリスナーからのメッセージ。

「何故今この(食の安全が危機に陥っている)時期に
『クローン牛が大丈夫』なんて安易発表がされるなんてわからない」
「自分は絶対クローンでつくられた牛の肉なんて食べない」
「どうしてそんなクローン食品なんて開発をしているんだろう、
自然に作ったものだけを食べたいのは誰も一緒なのに!」
などなど・・・

どうもこの番組では今朝、
先日「自然に生まれた牛の差異が認められなかった」と発表された
「クローン牛」
のことについて取り上げていたようです。
それについての感想や意見が
エンディングに際しまとめて読まれていた模様・・・
途中でチャンネルを替えてやってきた私には
その本筋はさだかではないのですが
まあ、これらのリスナーからの反応によると
食の安全性についての危機感を訴えるような内容だったと思われますね。

だから無理もないのでしょうが、
それにしても
皆さん判で押したように同じような意見を送ってきていること・・・
その単純さに
なんだか苦笑いが浮かんできました。

もちろん私だってクローン牛を食べたいなんて思っていませんし、
クローン食品の危険性(特に種の非多様性による全滅の危機など)
についても聞いております。
でも、
「今までどおり皆で自然な牛を食べればいいんだ」
「どうしてこんな研究しているのか意味がわからん」
なんて小学生みたいな感想を
わざわざ電波にのせてまで声高に主張する人には
失礼ながら失笑を禁じえません。

(家族で
「いやんなっちゃうよなー」って愚痴り合っているんじゃあるまいし、
もうちょっと多角的に見るとか、
社会背景から考察するみたいな考えが
一つくらいあってもよさそうなものだ。
・・・それとも
そういうのは番組側が面倒くさいから握りつぶしちゃったのかな)
などと考えてしまいます。


そもそも
人間という種自体が
有史以来の異常発生で
増えて増えてどうしようもないところまで着てしまっているというのに
今更今までどおりの自然が一番だなんて
そんな状態でこのさきずっと世界中の人を十分に養っていけるものなら
誰だって大金をかけてクローン食品の開発なんてしやしないではないでしょうか。
もちろん、
少ないリスクで大きな収穫だとか
生育期間の短縮で生産コストを抑えるという
生産者側の儲けを意識しての開発であることも
否定はできません。
でもそれだってそれだけでは一概に悪辣な経営理念とは言い切れない・・・
だってコストやリスクを抑えて利益を上げるというのは
生産者側が当然目指すべき道なのですから。

結局のところ
この場合一番問題となるのは

「クローン技術が本当に安全か」

ということにつきるのですよね。


要は
いったいどこまで研究を重ね
どこまで安全が保障されれば製品としての正当性を
消費者が受け入れられるかということ。
そうなってくると
所詮素人である消費者は専門家の発表に頼らざるを得なくなります。
だが、
その専門家たちの数々の虚偽や隠蔽により
すっかり信用ならなくなっている
それが食の安全を巡る昨今の悲惨な現状だと言えましょう。


その辺のことも考えずに

ただ、
今までにない安全性不確かな技術だからけしからん、
みんな今までどおりの自然のものを食べることにして
それにあぶれて食べられないような人は
我慢しつづければいいのだ

というのもどうでしょう、ね・・・?
皆さんはどうお考えになりますか?


もちろん
「自然がいいに決まっている」というのはわかっています。
でも、
そこで止まってしまっては話にならないではないか、

と私は思うのですが・・・

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