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2008/11/05

「当選するのは白人の男」神話が崩壊した日

これは、
半年ほど前に
あるエッセイで読んだジョーク(?)だったか……


「今回の米大統領選の結果は最初から分かっている、
当選するのはより保守的で年寄りな白人の男のほうだ!」

っていうヤツ。


……


笑っちゃいましたよ。
確かに、ちょっと前までそんなかんじでしたよね。

もっとも「保守的」とか「年寄り」っていうのは、
必ずしも当たっているとは思えませんでしたけど。
場合によっては保守派が敗れることもあるし、
テレビの時代になってからは、
そのビジュアル効果から
ハツラツとした若者が老練な実力者を破ることは
さほど驚くに値しない結果になって来てはいました。


それでも、
その他の「白人」と「男」という条件が、
少なくともそう簡単に崩れる壁とは、ね…

正直私にはそう思われませんでした。

このジョークを読んだそのころは
まだ民主党の候補者争いが真っ只中だったころで、
結局はこの候補者争いにクリントン氏が勝とうかオバマ氏が勝とうが、
老練な白人男性候補であるマケイン氏のところに
お鉢が回ってくるだけのことなんだろうと思っていたし、
ごく最近までも
優位優位と言われていても、
やっぱりいざとなると次の大統領は共和党のマケイン氏になるのだろうな、と……


だから、ねぇ……
だから
びっくりです。


ここだけの話ですけど、
オバマ氏の勝利に一番寄与したのは
共和党のペイリン副大統領候補じゃないかな、
と私は思っているのですよ。


手堅く堅実な実力派、
実績もあり未知数の新人にはない安心感がウリであったマケイン氏に、
奇妙に綺麗で素人臭いペイリンさんは
とんでもないお荷物になっちゃったんじゃないかなってね。

「保守派を取り込むために
中絶・同性婚禁止、銃規制反対の彼女を副大統領候補にした」
というのがもっぱらの評判でしたが、
なんだかミーハーで浅はかなイメージを共和党に植えつけちゃった気がします。
「結局はマケイン陣営も人気取りに必死なんだよな」
ってかんじでしょうか。


だから、
地滑り的勝利をおさめたオバマ氏ですが、
この大勝利は敵の自滅によるところも多分にあるようだから、
正直前途多難でしょうね。

誰かが、
「CHANGE(変化)」なんて言葉を
キャッチフレーズに上げる政治家なんて一番信じられない。」
って言っていましたけど、
確かにそう……


CHANGEなんて

「漠然としていてはっきりしないけどなんとなく耳障りのいい言葉」、
の典型ですもの。

オバマ次期大統領には
あくまでこの言葉は選挙用のキャッチフレーズと言うことにとどめていただいて、
是非とも
具体的で有効な政策を採っていただきたいもの……


そうやって、

「ペイリン女史のおかげで勝てたのかも」

なんて

そんな意地悪なこと考えている私のような連中を
是非
ギャフンと言わせて欲しいものです。

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