2つの日の間に引かれたボーダーの話
今日は4月2日です。
4月2日……
前日の1日のような年度初めの日でもない。
エイプリルフールのような楽しい洒落もない。
それらのイベントの次の日、
ごく普通の地味な日なんですが、
この日付けを見て何か思うことはないでしょうか?
いや、
誰もが思い浮かべるというのでもないのでしょうが、
考えてみると
この日生まれの人ってその学年の最年長者なんですよね、
その前の日の4月1日生まれの人は前学年に組み込まれるから。
この状況って
昔から不思議な気がしたものでした。
なんで
年度が始まる4月1日生まれの人が
前倒しされるように前年度に誕生日のある人たちと一緒にされ、
どうして同じ年度である4月2日以降に生まれた人たちとは
別の学年とならねばならないのでしょうか?
そんなことに違和感を感じたことが
子供のころにはありませんでしたか?
どうもこれらの現象の全ての原因は
日本の法律において
加齢(年齢を1つ加算すること)は、
誕生日当日ではなく、
誕生日の前日において成される
という規定にあるようなのです。
厳密には
加齢がされるのは
誕生日の前日の終了時(深夜12時)とされているのですが。
うーん???
誕生日の前日の終了時(深夜12時)って
誕生日当日の開始時(午前0時)と全く同じ時刻なんじゃないの??
いや、確かにそうなんですけど、
あくまで加齢行われるのは前日の終了時で、
加齢という事象は誕生日前日に発生するものだという見解が
法律の世界の考え方なのだとか。
よって、
4月1日生まれの子が
「その保護者が教育を施す義務が生じる年齢」=満6歳になるのは
確かに「3月31日」なんですよね。
ちなみに
この「満」って考え方、
1年ではなく1週間で考えるとより分かりやすくなります。
1週間は7日間、日・月・火・水・木・金・土。
再び同じ曜日が来るときは満1週間と1日目ってことになるでしょう?
だから同じように考えれば誕生日がやってくるということは
その日は満1年と1日目なので、
満1年(満1歳)は誕生日の前日に終了しているわけなのです。
とはいうものの、
この時点で、
すで一般社会と法律の感覚とのズレが生じていることがわかります。
普通の私たちの感覚では
年齢が上がるのは誕生日の当日のことであり、
前日ではない。
……
まあ、
このズレによる違和感を
目くじら立てて訴える人もいないとも思うのですが、
昔、
子供を産む前に入院したとき、
相部屋の病室での光景を思い出すのです。
ベットが向かい合わせ同士の4月1日生まれの赤ちゃんと2日生まれの赤ちゃんが、
こんなに違いがないにもかかわらず学年は丸1年も違うのか、
と思ったことを。
学年や年齢だけじゃない、
世の中の多くのそういうモノゴトが
どこかで線引きされなければならないものなんでしょうけれど、
そんなことを思う、
今日、
この日が誕生日ではない人にとっては
ごく普通の日、
4月2日、です。
| 固定リンク