残酷な心を満たす記事
前々から、気にかけているサイトがあった。
管理人は女性で
事実婚しており妊娠、出産、子育てを経験された方。
どこかのリンクリストから見つけたサイトだったのが
「事実婚のまま子供を産むこと」に対し
友人の痛烈な非難をうけて凹んだ・・・
という記事を読んだのはそのサイトを知ってまもなくの頃だった。
「結婚という型に縛られたくないなんて言って
格好つけていたくせに
無計画にも「妊娠」という結果を招いて
その事態に戸惑っているなんて、『甘すぎる』んだよね」
そんな感じだったか、
とにかくその友人の言葉は
他人の私が読んでもびっくりするほど辛辣で非情な言葉。
初めての妊娠で、
しかも婚外子として産むかもしれない
そんな状況はもちろん耐え難い不安やストレスを感じるものなのだろう。
その只中にいる友人に
こんなひどいことが言えちゃうなんて
その友人は「ひどい人」としか言いようがない。
……
……でも、
でも、それって「真実」、なんだよね……?
だからあなた、凹んだんだよ、ね……?
そう、それを読んだとき
そう思った私も相当「ひどい人間」だ。
その罪悪感か、
それとも単なる野次馬根性か、
その後のもそのサイトには時折訪問を続けている。
しかし
それ以後
その非情な友人と何某かの遣り取りがあったかは一切なかった。
お子さんは順調に誕生し
月並みながら母となった喜びに溢れる
穏やかな記事が続いていたのだ。
が、
あるとき訪問すると過去の記事が全て消されており、
その後更新される記事の内容は
現在は自らの家庭については一切触れないものになっている。
最近これを読み始めた読者には
この管理人に子供がいて家庭があるとは
まるで想像できないような
おしゃれで有能な独身ワーキングウーマンぶりだ。
なにかがあった?
いや、
何があったというよりも
あまりに自分をさらけだすことに嫌悪を感じた
結果なのかもしれない。
確かに、当然のことだ。
でも
さらけだすことのなくなったそのサイト、
口当たりのいいフュージョン音楽みたいになった
そのサイトに
私は最早以前の魅力を感じない。
残念ながら。
本当に残酷で勝手なもんなんだな、
人間って。
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