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2010/12/07

二人称代名詞のない不便さ

昨日
オフィスに飛び込みの営業さんがやって来た、
「ミネラルウォーターのサーバーを置きませんか」と……

もう設置してあるからと断ろうとすると、
彼女は「お姉さんのご自宅ではどうですか?」とさらに薦めてくる。

「お姉さん」!だって……
なんと
もう四捨五入すれば50にもなる女を前にして……


もちろん
営業さんなのだから
そういう呼びかけをするのだろう。
(みのさんの中年女性への呼びかけ―「お嬢さん」と同じなのだ。)
さすがにその程度のミエミエのヨイショで
要りもしないミネラルウィーターのサーバーレンタル契約を結ぶわけもなく
丁重お断りしてお帰りいただいたが、
果たして
彼女がいなくなったあと考えてしまった。

ミエミエの「お姉さん」がダメとして
じゃあ、彼女は私に向かってなんと語りかければよかったのだろうか?と。

「奥さん」?
「おばさん」?
「事務員さん」?

どれも
申し訳ないがオフィスにいる女性(45歳)に語りかける呼びかけとしては
不適当だ。
特に
何かを売ろうと低姿勢で入ってくる営業ウーマンが
そんな言葉を使うわけにはいかない。


と、
考えていてとみに気がついたのが
私たちの日本語の話し言葉には「二人称代名詞」がない、ということ。


何言ってるの、ちゃんとあるじゃない「あなた」っていう言葉が!

っていわれる方、
ではあなたはその言葉を口語として使ったことがありますか?

私はありません。
もちろんもっと砕けた関係である子供には
「あんたたち」っていう言葉を使うことはありますが、
少なくともある程度の遠慮や敬意をはらう必要のある人には
「あなた」なんて使ったことはない。
いつだって
「○○さん」という固有名詞か「先生」とか「部長」のような役職名を
呼びかけに使っているのです。
理由は…
まあ慣れていないってのもありますが、
どうも「あなた」や「きみ」って言葉には、
話し手の聞き手に対する「上から目線」みたいなものを感じるから、
っていうのもあるからなのでしょう。
(これは私が勝手に思い込んでいるだけなのかもしれませんが)

いずれにせよ、
「あなた」という二人称代名詞を使う機会というのは
口語の場合ほとんどないのが現状でしょう。
本当のところ
さっきの営業ウーマンなんて
「あなたのご自宅ではどうですか」なんていうふうに
二人称代名詞を使って会話をすれば
「お姉さん」なんて無理なおべんちゃら言葉使わなくても済むのでしょうが、ねぇ……

一度きりしか会わない相手に
いちいちその人の性別とか、既婚者かとか、どれぐらいの年恰好なのか
なんて見定めないと呼びかけることも出来ないなんて、
なんだか、

結構面倒くさい言葉ですね、私たちの母国語は……


ま、
そういう細やかな配慮ってものが
この国のもつ文化なのだ

と言われれば

確かにそのとおり、ではあるのですが……

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