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2012/10/16

「桐島、部活やめるってよ」

青春小説は苦手だ。
というか青春とか学校ってもの自体がどうも苦手……
なぜかと言ったら、
それはやっぱり

私が「さえない子」だったから、

なんだろうと思う。


「桐島、部活やめるってよ」

この小説で言うところの目立つ「上」の子ではなく、
大人しい(即ちダサい)「下」の子。

当時のことを思うと
その頃は決して自分を「下」だなんて思ってはいなかったし、
目立つ「上」のグループに入りたいとか
その人たち対する憧れみたいな気持もそんなになかったと思う。
むしろ
「規則は守ったほうがいい」とか
「必要以上に異性の気を引くような行動はちょっと…」という衿持ちみたいなものがあって、
その結果、大人しい=ダサい子になっていただけ、なのだ。

多分、目立つグループにしてみれば
それはバカみたいな価値観なのだろう。
私達にとって彼・彼女たちの価値観が今一つ理解できないのと一緒で。

それでも
互いに干渉せず教室の中央と片隅とに住分けることで
それなりにクラスとしてまとまったりしていたのだ。
そこには目に見えるような反目や虐げもなかったはずだ。


それなのに、
あれから30年もたったこの本を読んだ今、
どうしてこんなに心がえぐられるのだろう…


………


それは
私達が実際のところ「下」だったから、なのだろうか……?

とどのつまりは
「上」の人たちはその高みから私達を見下ろして憐れんでいたのか?

そしてそのことを「下」は十分知りながら
それに気付かぬふりをしていただけなのか?
己がプライドゆえに?


実際のところ、
いわゆる「下」の人だって
1年365日そんな惨めな状況にあったわけでもないだろうし、
[一人の人間でも「下」になるときもあれば「上」になるときもあった]っていう状況のほうが現実には近いんだろうけど…


だけど
青春小説って、やっぱり辛い。

その辛さが
ウリなんだろうが。


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2012/10/04

「どっちがいい?」と問われて

もしもあなたが、
誰かに「どちらがいいと思う?」尋ねられるようなことがあったら、

ひょっとししたら
その誰かをおこらせることになるかもしれませんが、
こう言ってみてはいかがでしょうか?


「『どちらがいいか』と尋ねるとき、
たいていの人は
選びたいほうが既に決まっていて、
その後押しをしてもらいたいだけだったりするから、

だから、
あなたは私になんて言ってほしい?

私はそのとおりに応えるよ」と。


……


随分と人を食った失礼な言いようかもしれません。

が、
かの人の決断を促すには、最も即効性はある……

こう言われることで
尋ねた側はあらためて自分の心の奥底を覗きこむはずです。


気心の知れた人にしか通じないし、
そのあたりを見誤り下手をすると友情の終焉を招くかもしれませんが、

私は
このアドバイスの仕方をとても気に入っています。


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