アベノミクスはこうして信任された
さて、
昨日の参院選。
選挙ってのは投票所に行くのはどうも面倒なものですが、
それでも私はかなり好きなほうです。
万難を排して炎天下の中、自分の小さな小さな一票を投じに行く。
その理由は、
私のこの一票がこの国の未来を変える確信があるから…
ではもちろんありません。
まあ、あれですわ。
8時と同時に始まる選挙速報番組を心ゆくまで楽しむため、ですわ。
馬券を買わずに見る競馬などありえません。
まさに「参加してこその選挙!」なわけです。
ふざけているって?
そうかもしれません。
でもそんな風にテンションをあげないとなかなかつらいものがある。
与党はとても信任する気にはならない。
しかし野党はもっとダメダメだし・・・
まさに八方ふさがり。
……
で、
結果は思った通りの与党の圧勝でした。
われらが首相はこう仰います。
「しっかり、この道(アベノミクス)を力強く進んで行け、と信任を得ることができた」と。
しかし、
投票した方はどうなんでしょう。
テレビ画面の下部に表示されるTwitterの言葉はだいたいこんな感じ…
「信任っつうより野党がだらしなさすぎるからしょうがないよなぁ」
こういう発言が多いこと多いこと。
まあ、いいたいことも分からなくはないんですが、
……でも、あぁ、なんだかがっかりしますね。
(おいおい、
そんな言い訳めいたことを言うなよ。
そんな100%信任なんて
いつの時代のどんな状況にあったっていうのかい?
それでもあんたはそこに投票したんだろ?
それを政治家が信任って受け取って勝ち誇るのはわかりきっていたことじゃないか?
だったら堂々と胸張って
「おう、俺は信任してやったよ!頑張ってこのまま進めてくれよ!」
ぐらい言う覚悟を持って投票したらどうなんだい!)
私は、
政治の世界っていうのは
その国民の姿をそのまま表しているものだと思います。
野党がだらしないのは、
野党そのものの責任もあるのかもしれないけど、
それだけじゃない。
私たちが心のどこかで
安定した自民政権を望んでいる。
政権交代による不確定要素が自分の生活に入り込んでくることを嫌がっているんです。
(でも、
与党にあまりに傲慢になられるのはちょっと困るしな…)
その程度の不満では
とても心中覚悟で頼りない野党に組するひとはいない……でしょ?
当然です。
こうしてアベノミクスは信任されたわけです。
これは、
掛け値なし正真正銘の「信任」です。
このことを我々有権者はまず認識すべきでしょう。
そこから、
それを良しとするか、
はたまた、
危険かもしれないが
あくまで政治の更なる健全化を目指し
代わりの勢力(=政権交代可能な野党)を国民自ら育てる道を模索するか、
その選択肢が見えてくるのだと思います。
……
しかしながら、
この日本には「政権交代」ってものがそもそも無理なのかな…
その思いは年々確信に近づいてしまっているのも、
正直なところなんですけどね。
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