« 2016年7月 | トップページ | 2016年10月 »

2016/09/23

とあるクラッシックコンサートにての雑感

先頃、あるコンサートを聴きに行きました。

友人が、そのコンサートに合唱で出演するもので、
彼女の舞台姿を見に行く、というスタンスでの鑑賞だったのですが…

いや、アマチュアとしての参加でありながら
その舞台のきらびやかなことと言ったら、
びっくりするほどのゴージャスさです。

さすが、
総務省統計局のデータによるところの住民の平均年収トップ高級住宅地エリア。

隣に座った奥様方もなんとなく上品で、
耳に入ってくる会話の端々にもヨーロッパのオペラハウスの名前が出てきたり
そこはかとなく漂うセレブの香り…

でも、ね…
なんとなく普通のコンサートっぽくないんですな。
たぶん観客の9割方がその合唱団の関係者っぽいっていうか、
発表会のような様相が会場全体に占めている。

たとえば、
先ほどのオペラハウスの名前を嬉々と話していた奥様は、
彼女の大切な人が出ていないであろう前半の管弦楽演奏中では
ガサゴソとパンフレットを音を立ててめくるし、
他にもピアニッシモでの演奏中にもかかわらず遠慮ない咳が聞えたり…
(これはまあ生理現象ですから目くじら立てるのも何なんですが)


たまたまそのコンサートに来ていらしたらしい普通のクラッシックファンの感想が
後日ネットにUPされているのを拝読したのですが、
その方もそれについて書いていらっしゃいましたね。
「定期演奏会に来る聴衆とはまったく違う客層だ」と。

まあ、かくいう私もこのオーケストラには全くなじみのない、
いわば友人を見るために来た
まさに「まったく違う客層」に属す聴衆のひとりです。

ソリストがどんな有名人でも、
コンサートマスターがどんなに優れたバイオリニストであっても、
所詮自分にはあまりかかわりのない人。

だからそのオケのコンマスが出てきたところで何の感慨もないから
型どおり指揮者が出てきて挨拶して初めて拍手ということになるし、
それが済んだら曲が終わるまでは何が起ころうとも絶対拍手はしない。
楽章の合間にソリストたちが登場しようが何しようが、
それがマナーだと固く信じて沈黙を守ります。
(考えてみると普通の演奏会では違いますよね。
コンマスが登場したり、楽章と楽章の間にソリストが登場したりすると
そのたびに彼らへの拍手が確かに沸き起こるようです。)

その代わり、
感動の如何にかかわらず、
曲が終了すればもう割れんばかりの拍手を
指揮者に、オケに、ソリストたちにと惜しみなく注ぐ…
通路側の奥様達に遠慮して
休憩時間にロビーで身体を伸ばさなかったことがタタり、
後半は腰がつらいことになりましたが、
それでも懸命に拍手を続けました。

まさに日本的儀礼の喝采。
もちろん素晴らしい演奏だったことに間違いないのですが、
その演奏より、(私を含める)聴衆の雰囲気の違和感のほうが気になる、
そんな舞台になってしまったことは確かです。


友達の舞台姿をみるのはとても晴れがましく
誇らしい気持ちいっぱいになったのですが、
なんだかちょっぴり惜しいかんじ。


なんなんでしょうね、
この感覚は……


|

« 2016年7月 | トップページ | 2016年10月 »