2007/05/22

おしゃれな生活

おしゃれな生活ってある。

例えば

台所用品の色をビビットに統一したり
作る料理はヨーロッパ風がメイン
(煮込みを「ポトフ」と言ったりする)。
輸入家具にほれ込んだり
乗る自転車は荷台なんぞないクラシカルなやつ
・・・
女性向け雑誌の見開きに大きく写真に載りそうな、そんな生活・・・

でもなんだかなぁ
だめなんだ、
苦手なんだ、そういうの・・・

考えてみれば
若い頃の私だってそういうのに憧れていなかったわけではなかったのだ。
目指していたのは
身奇麗に頭にターバンなんぞを巻いて
テキパキと家事をこなす若々しい奥様だったのに
フタを開けてみればこのとおり。
ほんの少しのお金をケチってケチってッケチりつづけた結果
この雑然とした家の中で
日々の生活にあくせくして暮らしている。
遠のくばかりの「おしゃれな生活」。

そのケチったお金で何をしたというわけでもない。
結局
そういう「おしゃれ生活」には
うわべだけ憧れていても
真からそれを送ることなんぞ
望んでいなかったということ、

身につかなかったということ、だ。


だから、

というわけではないのだが、
そういうおしゃれな生活を綴った文章は
未だになんだか苦手、

スープの話より味噌汁の話のように
庶民的生活感のある文章のほうがいいなぁ

なんて思ってしまう私は
単なるやっかみの強い
根っからの田舎モノ、のようです。

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2007/04/17

傘屋にて

傘を買った。
折り畳みではなく長いやつ、
柄がくるんと曲がっているいわゆる「こうもり傘」というやつだ。


傘はね、
思い切り派手なのがいいよね。
雨の憂鬱を吹き飛ばすような、ね

そう友人は言っていた。
彼女が持っていたのは緑の地に目の覚めるような大きなヒマワリ模様のとても奇抜なものだった。
それにつられて私の買った傘は
黒地に赤や黄色の色とりどりの花々の模様。

あんたの傘も派手ねえ

そう言って彼女は笑った。
そんな派手なもの、エキセントリックなものを選んでも
下品にはならない。
・・・
それが若さの特権だということも意識しなかった時代の話だ。


それから20年近く過ぎ、
今傘屋で私が手に取るのは淡い色合いもの。
ガラは大きな白い花模様にすぐ決まったが
地の色がなかなか決まらない。

クリーム地にするか?
いやガラが白い花なんだしちょっとおとなしすぎやしないか?
それとも空色地?
空色地も若い子ならいいけど今の私が持ったら本当に地味になってしまうし。
でもピンクはいかにも40代の女が選びそうで嫌だし・・・

さんざん迷った挙句選んだのはサーモンピンク。
結局40女の選ぶ色を選んでいる私。
ピンクと言ってもサーモンだから、と言い訳を考える。


本当はピンク大好きなのに。

若い頃は
それが好きな色だなんて恥ずかしくて知られたくなかった。
中年の今も
「衰えを隠す色」というイメージを拭えずなかなか身につけられない。

・・・

では、
せめてうーんとおばあさんになってからピンクの日傘差していても
下品にはならない・・・
そんな女性を目指して
今から
ちょっと精進してみましょうか・・・

と、
傘屋にて思うそんなこと。

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