2009/12/08

熱狂的ファンの虚実

先日、
勝間和代さんをテレビで初めて拝見いたしました。
勝間ブームが始まってから久しい昨今、
まさに今更ながら、という感じでお恥ずかしいのですが……

実は私は
それまで勝間さんという方を具体的にはほとんど知らず、
香山リカ氏の著書についていたセンセーショナルは帯のご当人か、
という認識しかもっていなかったのです。
なんていうか、すごいエネルギッシュな人なんですね。

で、そのインタビューの中でも触れられていたのですが
まあこういうカリスマ的な人物がマスコミに登場すると
当然のようにそれに付随して現れる人々がいます。
それは
勝間さんの場合はカツマーと呼ばれるいわゆる熱狂的ファンの人々。
勝間さんの本を読み、そのバイタリティに憧れ、著作を読み、彼女に倣いスキルアップに努力を重ねている人たち、のことです。


…うーん

どうしていつもこうなんでしょう。
別に勝間さんに憧れてそのマネをして努力するのって
そんなに悪いことなわけじゃないのに、
なんていうのかな
「カツマー」なんて言われてマスコミに取り上げられている人たちって
体よく
一般人の揶揄の対象にされているだけのような気がしてならないんですよね。

例えば

勝間さんが午前中はジムで汗流すって聞いたら
自分も仕事前にジムへいってしまい
その後へとへとになって仕事どころではなかった、

とかいう「あらら」な感じ…
多分
本当の意味のカツマーさんの多くは
ちゃんと自分を知りつつ勝間氏の著書から得るべきものを得、
捨てるべきものを捨てているはずなのに……


料理研究家の栗原はるみさんの「おっかけ」ファンの行動をレポートしたものを
偶然目にしたことがありましたけれど、
正直「いい大人が一体何やってんだよ!」って感じでした。
その、あまりの馬鹿さ加減に「ヤラセ?」って思っちゃうほどに、です。


でも、
冷静に考えてみると
それは本当のところ「ヤラセ」ってもんだったのかもしれない。

マスコミって結局は
「ブーム渦中にいる人」ではなく
「大衆=それを脇で見ている一般傍観者たち」を対象にしているものだから…

そしてその傍観者って
「やだ、バッカじゃない?」と冷笑したくてうずうずしている人たちなのですから、
それの満足を叶えてやることに何の躊躇があるものでしょうか。


というわけで、
今後は
そのような常軌を逸したファンのメディア露出には
決して嘲笑したりイラついたりしないように……

私はこの手の話に単純に載せられてしまう私は、
そう、
自分自身の心に深く戒めることにしたのでした。


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2007/04/19

切り売りされる私生活

雑誌やテレビを見ていて、
著名なる人々がその私生活について語るのところに遭遇するのは、
たいていの場合
私をなんともいえない嫌な気分にさせる。

芸能人・政治家・経営者・弁護士・作家などなど
なんでもいいのだが、
私たち名もなき一般人が興味あるのは
その著名人のオフィシャルな部分
つまり彼の為した仕事内容だけのはず。
それなのに
どうして彼らの私生活を聞き出そうとしする野次馬たちが常にいるのだろうか。
そして
ぺらぺらとそれらを悪びれず語る著名人もまた
後を絶たないのは何故なのか。

彼らもまた私たち一般人と同じ人間であること、
その同じ人間として普通の生活―食事をし排泄もし夫婦喧嘩や子育てに苦労しているということを今更ながら確認したいからなのだろうか。
それとも
そのセレブたちが名声を得た理由を
彼らの日常生活への姿勢から導き出して己が生活の改善の糧にしようとでもしているのか?
または
ただただ憧れる人々のことなら何でも知りたいという
ファン心理のなせるワザにしかすぎないのか?
そういう哀しいまでの情熱ゆえなのか?


思うに、
著名人というものは皆
多かれ少なかれ私生活を切り売りして暮らしている人々なのだろう。
もちろん中には
それに反発しオフィシャルな自分だけを売り物にしたいと
純粋に願っている人もいることだろう。
だが、そういう願いを叶えられるのは極稀なことであり、
よほど才能あふれる者にしか許されない。
それほど一般人というものはある意味妬み深く
そして覗き見が大好きなのだのだから。
だから
その覗き見趣味を逆に利用して
その世界で生き残ってやろうと考える著名人がいるのだってうなずける。
そして、
そうやって生きている人のほうが
頑なに自分の本業だけに固執している人より、きっと多い・・・


テレビのスイッチをひねると
今日も映る
「得々と我が生活を語る」
よく知っているようで実は全く知らないその人の姿

だが、
うずたかく積まれた
その「私生活」の押し売りに

正直うんざりさせられている一般人は

決して私だけではないと思うのだが・・・


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