2008/10/16

鉄子、予備軍

「鉄ちゃん」という人種がいる。

いわゆる鉄道マニア。
女性になるとそれは「鉄子」とも呼ばれているようだ。

時刻表に極めて精通していたり、
私には皆同じように見える車両の細部違いについて熱く論じたり
線路の幅や種類に並々ならぬの興味とこだわりを持ったり
自宅の一部屋は鉄道模型のジオラマに占領されていたりする。

オタクの典型とも思われがちなこの「鉄ちゃん」。
世間一般には評価はかならずしも芳しくない。
音楽やスポーツに打ち込んでいるのが絵に描いたように好ましい趣味とされているのに対し、
「趣味=鉄道」と声高らかに宣言する「鉄ちゃん」は少ない。
むしろ世間一般には気付かれることを嫌い、
同好の仲間内でひっそりと盛り上がり競い合うのが「鉄ちゃん」活動の真髄である。

ああ、良いなぁ。


もちろん私は鉄子ではない。
残念なことに、自分にはそれほどの熱意も根性も無かったので


だが、もし結婚して息子をもったら

「その子が私に代わって筋金入りの『鉄ちゃん』になったらなんか嬉しいなぁ」
と若い頃はかなり真面目に考えていたほど、

実は「鉄子、予備軍」なのである。
(かつてそのことを友人に話したときはその友人は微かにひいていたが……)


この前も
「自分の中の鉄道マニア度に気が付いて戸惑った」という文章を
新聞で目にしたことがあった。

読み終わり一人ニヤリとする私。


この文章を書いた先生や私だけではない。


鉄ちゃん/鉄子予備軍の潜在数は、

実はかなりの数に上るのでは、と私は最近とみに考えている。


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