「砂糖ってのはさ、人類にとって最も身近にある『毒』なんだよね」
と、あるとき知人がそういった。
「砂糖」と「毒」。
なんかわかるような気がする。
そりゃ、甘いものを食べてそれゆえに死んだ人はいないけれど、
それの摂り過ぎで健康を害している人は、数え切れないほどいる。
多分このひともそれが言いたかったのだろう。
甘みに飢えていた時代には
砂糖は本当に貴重なものだったのだ。
しかし今やいとも簡単に甘みを得られる時代になり、
必要以上に摂取するのが当たり前のようになったため
今日の魔女狩りならぬ砂糖狩りは始まった。
「糖分を控えています」
「甘さおさえめ」
「カロリーオフ」
同じような商品が並ぶ中、私もついついそのようなラベルがついているほうを選びがちだ。
甘さは何せ美容と健康の言わば「敵」。
歯にも悪いと子供には甘いものを一切食べさせないという若いお母さんも最近は多いらしい。
でも、
そんななか今朝のラジオから流れてきたのはこんなニュース。
>イライラしていますか?スイーツをどうぞ!
米研究:ストレス解消にはやっぱり甘み
(J-WAVE Good Morning TOKYO Click on NEWS より)
耳を澄まして聴いてみると、
アメリカのさる研究機関がラットを使ってこんな実験をしたとの内容だった。
何匹かのラットに同じ量のエサと住環境を整えてやり、
① ただの水だけを与えられたもの、
② 人口甘味料を加えた水を与えられたもの、
③ そして、砂糖水を与えられたもの
の3種類のストレスへの対応を調べたらしい。
その結果、砂糖水を与えられたラットが一番分泌するストレスホルモンの量が少なかった―即ちストレスを緩和させていた―ということが判明したとのこと。(ちなみに人口甘味料は水よりややマシと言う程度だったそうだ。)
つまり、
「イライラしたからチョコでも舐めて気分を落ち着かせた」
というのが科学的にも根拠があるものらしいという報告なのだ。
へぇー、でも砂糖を摂り過ぎているから最近の子供はキレやすいんじゃなかったけ?
うーん・・・わからないなあ
まあ、この実験報告がどの程度の意味を持つものかは素人の私には全くの不明である。
お砂糖大好きで同時に肥満が日本以上に深刻なアメリカからのレポート。
それよりは、
1日に40gを越える砂糖を摂取した幼稚園児がお友達と上手く遊べないという調査結果(とあるサイトで見かけた)のほうが、拝聴する価値があるような気がしないでもない。
だが、
ただひとつわかっていることは、
単純に甘いものを食べたとき感じる
「言い知れぬ幸福感」とでも言うのだろうか、
―あの、ふわあぁとした優しさに包まれた感覚
喉の奥にその甘みがすべりこみ
こめかみのあたりを伝わって、
あぁそうそう、あまくってしあわせー!
という信号が脳に送られていくあの幸せな感覚―だけなのだ。
あの感覚を「全くの悪しきもの」とされて、
これから先常に罪悪感と共に甘みと付き合っていかねばならないのだとしたら、、
それはちょっと辛いかな。
ひょっとしたら
この感覚も「毒」である「砂糖」の一面なのかもしれないのだが、
でも
一粒のチョコに幸福感を感じられるぐらいの量ならば、
許してもらえないかな、
と今日もその「毒」を喰らってしまう私なのでした。