今更な「驚き」
(まだまだ暑い)と思っていたのに
ふとひんやりとした肌寒さを感じる……
また逆も然り。
確か半年ぐらい前には
柔らかな日差しをあびて
身体じゅうの筋肉がほんの少しゆるむような気がした瞬間もあった。
そんなとき、
人は必ず驚く……驚くのだ。
季節が移り変わるのは当たり前のこと。
寒暖の空気が入れ替わるのも当たり前で
それはもう
その人の人生が始まってからずっと
同じことが繰り返されいるだけなのに……
それなのに
なぜか、決まりきったように驚く私たち。
いつもの季節の変わり目のたび
判で押したように
今更のように驚く。
夏の後には秋が来て
秋の後には冬が来る
冬の後には春、
そしてまた夏が来る
決まりきったこの自然の営みを
頭で理解していても
身体は理解していない、
ということなのか?
……
明日は彼岸の中日
折りしもここは雨の予報で
季節はぐっと秋めくらしい。
その肌寒さに
私はきっとまた唖然とすることだろう。
結局は
「夏の暑さの中では冬の寒さを完全に忘れる」
という人間の性質ゆえのことなのだろうが、
でも
なぜなんだろう
そういう身体を持つ私たちは
きっとみんな「幸せ者」なんだと思う。
何十回と繰り返される同じ季節の変わり目を
こんなにも新鮮な驚きをもって迎えられるなんて……
今から明日が楽しみ、だ。
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